アメリカのピアノ その① スピネット

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ドロップアクションってご存知でしょうか?
ピアノ調律師以外では全く馴染みのない単語ですが、ピアノの内部機構の名称です。

というか調律師の間でも馴染み薄いと思います。
見たことない調律師も多いんじゃないかな。。。

ピアノの打鍵機構をアクションと言います。
通常は写真の模型のように鍵盤で下からアクションを押し上げるのですが、図の写真のようにドロップアクションは、ワイヤーでアクションを持ち上げるような仕組みです。
そうすることによってピアノの高さを随分と低くすることが出来ます。
で、そういうピアノは”スピネット”と呼ばれています。

これってアメリカ独自の機構なんですよね。。。
もちろんヤマハとかでも一時期少しだけは造ったんですが、世の中に存在するドロップアクションのピアノの多分99%以上はアメリカ製です。(統計ないですけど多分)
何せ高さが1mくらいしかないですから、ピアノらしくないと言っちゃえばそうです。
構造はより複雑なのに、なぜかだいたい廉価なピアノに用いられました。。。ました、、と過去形になっているのは、もうアメリカでも造ってないからです。

雰囲気いいですよ、、、私はとっても好きです。
タッチ感も通常のピアノとはずいぶん変わってます。

ただね、、、修理する時が徹底的にややこしいのよ。。。造るとき、直す人の事は考えてなかったんでしょうね。。。
それはそれで潔くていいですが、若い時随分苦労しました。
ここでも過去形なのは、今は苦労せずに修理できるというのではなく(おそらく昔より難儀しそう、、、最近目も見えずらくなってきたし)、そういう修理のご要望自体がなくなっちゃったからです。
それほど日本では今ではレア物です。

アメリカって何でも大きいのが特徴みたいなイメージですけど、小さい(高さの低い)ピアノもアメリカの専売特許ってのも何かユニークですね。。。

なんか解りづらかったかもしれませんね、、文章力ないんですみません。

アメリカのピアノってね、、、色々と奥が深いのよ。。。私の得意分野(自称?)なんでまたぜひ語らせてください。

写真のピアノは弊社2階のアンティークコーナーに展示してます。
1973年製ですからまだまだ全然アンティークじゃないですけど、、、ぜひご覧、お試しください。。。

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