弊社ショールーム入口横に鎮座している置時計なんですが、高さ2mくらいある、なかなか存在感のあるものです。
おーおーきな のっぽの ふるどけい〜 おじい〜さんの〜とけい〜
のメロディーそのまんまの置時計、アメリカ、Wurlitzer社製です。
いまではもう造られていませんが、アメリカのピアノメーカー数社は10数年前まで、時計のキャビネットを造って、ドイツ製ムーブメントを取り付けて販売していました。
これは私が15年くらい前、Wurlitzer社のピアノをアメリカからコンテナで直輸入仕入していたころ、コンテナの上部空きスペースに入れて輸入したものです。
この大きな置時計、日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカではかなりポピュラーなようで、あの歌の歌詞のように、子供が生まれた時に買ってきて、日付と名前を入れたプレートを貼って大事にされているようです。
クオーツではなく機械式ですので、一週間に一回”ねじ巻き”しないといけません。
側面に小窓が付いていて、開けるとチャイムを鳴らす部分が見れるようになっているのですが、金属の棒を叩く動作がとても情緒があり、またなんともいえないのどかな響きです。
この、デジタルでない響きの情緒 というのが、カチカチと時を刻む音とともに、一番の魅力だと思います。
これはきっと楽器にも当てはまるもいのだと思います。
電子楽器の可能性を否定するつもりはございませんが、たとえばピアノでも、アコースティックのピアノは、電子ピアノでは出せない、倍音の響きというものがあります。
そこのところが”音楽”であり、また感情の表現につながるところ、つまり情緒だと思います。
この時計、そもそも天井高くないと置けないし、なんともアメリカらしい、いい感じの大らかさです。
私が ”おじいさん” になるまで置いとくつもりです。